障害基礎年金と障害厚生年金の違いを一覧で確認
障害基礎年金と障害厚生年金の大きな違いは、初診日に加入していた年金制度、対象となる障害等級、年金額の決まり方です。
障害基礎年金は主に国民年金を基礎とする制度で、対象となる障害等級は1級・2級です。一方、障害厚生年金は初診日に厚生年金へ加入していた方が対象となり、1級・2級に加えて3級も設けられています。
| 比較項目 | 障害基礎年金 | 障害厚生年金 |
|---|---|---|
| 主な対象 | 初診日に国民年金に加入していた方など | 初診日に厚生年金に加入していた方 |
| 障害等級 | 1級・2級 | 1級・2級・3級 |
| 年金額 | 等級ごとの基本額 | 加入期間や過去の報酬などで変わる |
| 子の加算 | あり | 1級・2級では障害基礎年金部分に加算 |
| 配偶者の加算 | なし | 1級・2級で一定の条件を満たす場合あり |
| 3級 | なし | あり |
例えば、同じ障害等級2級でも、初診日に国民年金へ加入していた方と厚生年金へ加入していた方では、受給できる年金の種類や金額が異なる場合があります。
障害年金の種類を判断するときは、現在の勤務状況ではなく「初診日にどの年金制度へ加入していたか」を確認することが重要です。
2026年度の障害年金1級・2級・3級の金額をまとめて確認したい方は、【2026年最新】障害年金はいくらもらえる?等級別の金額・受給額をわかりやすく解説をご覧ください。
障害基礎年金とは?
障害基礎年金は、主に初診日に国民年金へ加入していた方などが対象となる障害年金です。
例えば、自営業者、フリーランス、学生、無職の方などが病気やけがをして、一定の障害状態になった場合には障害基礎年金の対象となる可能性があります。
また、20歳になる前に初診日がある病気やけがによって一定の障害状態となった場合にも、障害基礎年金を受給できることがあります。
障害基礎年金の対象となる等級は1級と2級です。3級はありません。
| 等級 | 2026年度の基本額 |
|---|---|
| 1級 | 年額1,059,125円+子の加算 |
| 2級 | 年額847,300円+子の加算 |
| 3級 | なし |
※昭和31年4月2日以後に生まれた方の場合。
障害基礎年金は、過去の給与額によって基本となる受給額が変わる制度ではありません。同じ年度・同じ障害等級であれば、基本となる年金額は同じです。
ただし、対象となる子どもがいる場合は「子の加算額」が上乗せされるため、実際の受給額は家族構成によって異なることがあります。
障害厚生年金とは?
障害厚生年金は、障害の原因となった病気やけがの初診日に厚生年金へ加入していた方が対象となる障害年金です。
会社員などとして厚生年金に加入している期間中に病気やけがの初診日があり、その後一定の障害状態となった場合に受給できる可能性があります。
障害厚生年金には、障害基礎年金にはない3級が設けられていることも大きな違いです。
| 等級 | 受給できる年金 |
|---|---|
| 1級 | 障害厚生年金1級+障害基礎年金1級 |
| 2級 | 障害厚生年金2級+障害基礎年金2級 |
| 3級 | 障害厚生年金3級 |
1級・2級の場合は、障害厚生年金だけではなく障害基礎年金もあわせて受給できます。
一方、3級の場合は障害基礎年金が支給されず、障害厚生年金のみとなります。
障害基礎年金と障害厚生年金では金額の決まり方が違う
障害基礎年金と障害厚生年金では、受給額の計算方法にも大きな違いがあります。
障害基礎年金は等級ごとに基本額が定められています。一方、障害厚生年金は、厚生年金に加入していた期間や給与・賞与などをもとに計算する「報酬比例の年金額」が基本となります。
| 種類 | 金額の考え方 |
|---|---|
| 障害基礎年金1級 | 等級ごとに決められた基本額 |
| 障害基礎年金2級 | 等級ごとに決められた基本額 |
| 障害厚生年金1級 | 報酬比例の年金額×1.25 |
| 障害厚生年金2級 | 報酬比例の年金額 |
| 障害厚生年金3級 | 報酬比例の年金額・最低保障額あり |
例えば障害厚生年金2級の場合、報酬比例の年金額が80万円であれば、障害厚生年金80万円に障害基礎年金2級が加わります。
そのため、初診日に厚生年金へ加入していた方が1級・2級に認定された場合は、障害基礎年金だけを受給するケースより受給総額が多くなることがあります。
障害基礎年金と障害厚生年金では対象となる等級が違う
障害基礎年金と障害厚生年金では、対象となる障害等級にも違いがあります。
障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級・2級・3級です。
1級は、一般的に他人の介助を受けなければ日常生活の多くを行うことが難しい程度の障害状態が目安となります。
2級は、日常生活が極めて困難で、生活に著しい制限がある程度の状態です。
3級は、労働に著しい制限を受ける、または労働に著しい制限を加える必要がある程度の状態が目安となります。
ただし、実際の認定基準は障害の種類によって異なるため、病名だけで等級が決まるものではありません。
子どもや配偶者がいる場合の加算にも違いがある
障害基礎年金と障害厚生年金では、家族がいる場合の加算制度にも違いがあります。
障害基礎年金1級・2級では、一定の条件を満たす子どもがいる場合に「子の加算」があります。
一方、障害厚生年金1級・2級では、一定の条件を満たす配偶者がいる場合に「配偶者加給年金額」が加算されることがあります。
| 加算の種類 | 対象 | 2026年度の金額 |
|---|---|---|
| 子の加算 | 1人目・2人目 | 1人につき年額243,800円 |
| 子の加算 | 3人目以降 | 1人につき年額81,300円 |
| 配偶者加給年金額 | 障害厚生年金1級・2級 | 年額243,800円 |
障害厚生年金3級には、配偶者加給年金額はありません。
自分の受給額を確認するときは、障害等級だけでなく、対象となる子どもや配偶者がいるかどうかについても確認しておきましょう。
初診日に加入していた年金制度が重要
障害基礎年金と障害厚生年金のどちらが対象になるのかを判断するうえで、特に重要なのが「初診日」です。
初診日とは、障害の原因となった病気やけがについて初めて医師や歯科医師の診療を受けた日を指します。
例えば、会社員として厚生年金へ加入していた時期にうつ病で初めて医療機関を受診し、その後退職して国民年金へ切り替えた場合でも、原則として初診日に加入していた厚生年金を基準に判断します。
反対に、現在は会社員として厚生年金に加入していても、初診日が自営業などで国民年金に加入していた時期であれば、原則として障害基礎年金が対象となります。
つまり、
「今は会社員だから障害厚生年金」
と単純に決まるわけではありません。
障害年金を検討するときは、現在の加入制度よりも先に、初診日とその当時の年金加入状況を確認することが大切です。
障害基礎年金と障害厚生年金についてよくある質問
障害基礎年金と障害厚生年金の違いについて、よくある疑問をQ&A形式で解説します。
障害基礎年金と障害厚生年金は両方もらえますか?
障害厚生年金1級または2級の場合は、障害基礎年金と障害厚生年金をあわせて受給できます。
一方、障害厚生年金3級の場合は障害基礎年金は支給されません。
障害基礎年金にはなぜ3級がないのですか?
障害基礎年金の障害等級は制度上1級・2級までと定められており、3級は設けられていません。
3級があるのは厚生年金に加入していた方を対象とする障害厚生年金です。
現在会社員なら障害厚生年金になりますか?
必ず障害厚生年金になるわけではありません。
原則として、現在の勤務状況ではなく、障害の原因となった病気やけがの初診日にどの年金制度へ加入していたかによって判断します。
障害厚生年金の方が金額は多いですか?
1級・2級の場合は、障害基礎年金に障害厚生年金の報酬比例部分が加わるため、障害基礎年金のみの場合より受給総額が多くなることがあります。
ただし、障害厚生年金の金額は過去の給与や加入期間などによって異なります。
学生でも障害年金を受給できますか?
学生であっても、受給要件を満たせば障害基礎年金を受給できる可能性があります。
また、20歳前に初診日がある病気やけがの場合には、20歳前傷病による障害基礎年金の対象となる場合があります。
障害者手帳の等級で障害基礎年金か障害厚生年金か決まりますか?
決まりません。
障害者手帳と障害年金は別制度です。また、障害基礎年金と障害厚生年金のどちらになるかは、原則として初診日に加入していた年金制度によって決まります。
2026年度の障害年金の金額をまとめて確認できますか?
2026年度の障害基礎年金1級・2級、障害厚生年金1級・2級・3級の金額をまとめて比較したい方は、【2026年最新】障害年金はいくらもらえる?等級別の金額・受給額をわかりやすく解説をご覧ください。