障害年金の基本
障害年金は、障害を持つ方々に対して支給される年金制度の一環です。この制度には主に「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2種類があります。
障害年金を受給するためには、「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態該当要件」の3つの条件を満たす必要があります。これらの要件は、障害年金の受給資格を確認する際に非常に重要なポイントとなります。
保険料納付期間に注意
保険料の納付状況は、障害年金の受給資格に直接影響を及ぼします。
具体的には、初診日の前日までに一定期間以上の保険料が納付されている必要があります。未納期間がある場合、年金の受給資格が失われる可能性があります。
診療を受けた初診日は絶対に必要
初診日とは、障害の原因となった病気やケガで初めて医師の診療を受けた日のことを指します。この日は「国民年金」または「厚生年金保険」の被保険者期間内である必要があります。
初診日を特定し、それを証明できる書類が必要です。この要件は、障害年金の基本要件として非常に重要な位置を占めています。
なぜ障害年金をもらえない人がいるのか?
障害年金は生活費の一部を補う制度ですが、全ての人がこの制度の恩恵を受けられるわけではありません。
障害年金を受給できない主な理由を紹介します。
診断書の内容の相違
医師が作成する診断書には、治療経過、各種検査データ、臨床所見が中心として記載されますが、当人の日常生活動作、生活能力、一般状態区分、労働能力についても含まれています。
診断書は医師のみが作成できますが、日常生活の様子などが本人との情報不足により軽く書かれる可能性がありますので、日頃から主治医としっかりコミュニケーションをとり、普段の生活の様子を正確に伝えることが非常に重要です。
また、診断書との整合性が求められるため、請求者が作成する病歴就労状況申立書の作成にも細心の注意が必要です。
医師の作成した診断書の治療経過と、本人が申し立てた申立書の内容に異なる点が多いと、審査時に信憑性が問われます。
あくまでも、病院の治療歴等も記録が一致していることが重要です。
申立の記載内容が不十分
病歴・就労状況等申立書(申立書)は、請求者が発病から初診日までの経過、現在までの受診状況および就労状況について記載する書類です。
請求者が自ら作成して申告できる唯一の参考資料であり、自分の障害状態を自己評価して行政にアピールできるのは、この申立書しかありません。
そのため、できるだけ具体的に、発病から現在までの病状・治療の流れ、日常生活の様子が審査側に伝わるように作成することが重要です。
年収が高い
年収が一定額を超えると、障害年金の受給資格が制限されることが多く、高所得者はこの制度の恩恵を受けにくくなります。
ただし、年収が高くても医療費やリハビリテーション費用などの出費が多い場合、それを証明することで受給資格を得られる可能性があります。
【働いていてもOK】障害年金の受給額と年収の関係について解説!
保険料の未納がある
保険料の未納があると、障害年金の受給資格を失う可能性が高まります。未納が続くと、年金制度から除外され、将来的に障害が発生しても支給されない可能性があります。
このような事態を避けるためには、未納が発生した場合は速やかに支払いを済ませることが重要です。
うつ病など精神疾患がある
精神的障害や発達障害がある場合、障害年金の受給資格を得るのが難しいことがあります。これは、精神的・発達障害の診断が主観的な要素を多く含むためです。
また、うつ病やその他の疾患を抱えている場合も、障害年金の受給が難しくなることがあります。
特に、症状が軽度と判断された場合、受給資格が制限されることが多いです。
そのため、初診日が証明できる医師の診断書をはじめ治療履歴など状態の詳細がわかる書類が必要になります。