障害年金とは?
障害年金とは、病気やけがで障害が残った場合に請求できる公的年金です。この年金は老齢年金や遺族年金と同様に国が運営しています。
働いていて収入がある人でも障害年金を受け取ることができますが、そのためには3つの要件をすべて満たす必要があります。
初診日
障害年金の受給要件の一つに「初診日」があります。初診日とは、障害の原因となった病気やけがで初めて医療機関にかかった日を指します。
障害年金を受給するためには、この初診日が特定できること、そしてその日に国民年金または厚生年金に加入していることが求められます。
保険料納付
障害年金を受給するためには、初診日の前日の年金保険料の納付状況が次のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- 初診日の前日において、初診日の2か月前までに支払義務のある年金額の3分の2以上を納めていること
- 初診日の前日において、初診日の2か月前までの直近1年間に未納がないこと
なお、初診日が20歳前である場合は、国民年金に加入前で保険料を納める義務がないため、保険料納付要件は問われません。
障害(病気)の状態
障害年金の受給要件の3つ目は、障害認定日において、国が定める障害等級に該当する程度の障害状態にあることです。
障害認定日とは、初診日から1年6か月が経過した日を指します。
具体的な基準は「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に詳しく定められています。
この障害認定基準は、障害者手帳の等級とは異なるため、障害者手帳が2級であっても障害年金が必ずしも2級になるとは限りません。
年収と障害年金の関係について
障害年金は、原則として年収があっても受給できますが、
以下の2つのケースでは加算がなくなるなどの制限を受けることがあります。
20歳前に初診日がある(障害基礎年金)
20歳前に初診日がある人の障害基礎年金は、年収が一定額を超えると支給が停止されることがありますので注意が必要です。
下記の所得により制限を受ける年金は「20歳前の傷病による障害基礎年金」と呼ばれます。
- 初診日が20歳前である
- 初診日の時点で、厚生年金に加入していない
※「20歳前の傷病による障害基礎年金」が支給停止となる所得の基準がこちら↓
前年の所得 | 停止額 |
---|---|
4,721,000円を超える | 年金は全額停止 |
3,704,000円を超える | 2分の1の年金額が支給停止 |
扶養親族がいる場合、扶養親族1人につき所得制限額が38万円加算されます。
また、毎年受給者本人の前年所得を確認する必要があり、その前年所得に基づく支給対象期間は「10月分から翌年9月分まで」となります。
扶養家族に収入がある
扶養家族に一定の収入がある場合、障害年金に加算される額が停止されます。
障害年金1級・2級を受給する人に扶養する家族がいる場合、
- 障害基礎年金1級・2級・・・子の加算額
- 障害厚生年金1級・2級・・・子の加算額と配偶者加給年金額
生計を共にする配偶者や子が一定の年齢などの条件を満たすと支給されます。
一般的に、配偶者や子の年収が850万円を超えるケースは少ないですが、配偶者や子の収入が年収850万円以上、または所得655万5千円以上の場合、加算額は支給されません。
(ここでの年収とは、会社から支給される給与)
また、同居している64歳までの配偶者や高校生までの子であれば、加算がつくことが多いです。
働きながら障害年金はもらえるの?
今回ご紹介したのは年収(会社からの給料)がある場合でも、障害年金は受給で切るのか?という内容でご紹介いたしました。
4,721,000円を超えてしまっている場合は、受給はできないでしょう。
ただし、今後働けないなど状況が変わりそうな場合であれば、障害年金の申請については準備を始めていてもよいでしょう。
まずはこのややこしい収入との併用ができるかどうかを詳しく知りたい!という方であれば障害年金の専門家に相談しましょう。