障害年金の基礎知識

年金保険料・年金が未納の場合でも障害年金は受け取れるのか?

年金保険料・年金が未納の場合でも障害年金は受け取れるのか?

障害年金の受給申請を検討されている方がいろいろお調べいただく中で「社会保険料未納の場合、障害年金が受け取れないのではないか?」という情報をお知りになるのではないでしょうか。
結論としては、未納状態が続いていた期間が長かったり、もしくは一度も支払いをしていないといった場合は障害年金の受給が不可能になることがあります。
こちらの記事では、社会保険・年金を未納だった場合障害年金を受け取れるのかをテーマに解説していきます。

こちらの記事でわかること

社会保険・年金の支払いをしていない場合、障害年金を受給できるのか?

それでは、まず結論から申し上げますと
もし保険料の支払いが滞ると、障害年金を受け取る権利を失うリスクが高まります。
今、健康な人でも保険料の未払いが継続すると、将来障害が生じた際に、年金が支払われないことがあります。

そのため、現時点で未払いがあった場合には、迅速に支払いを完了させることで障害年金を確実に受け取ることが可能になります。

 

障害年金受給については、「現在」の保険料納付状況ではなく「初診日」時点の保険料納付状況で決まります。

障害年金を受け取るための条件の一つとして、加入者が定められた保険料を納付しているかどうかという点が重要です。
この保険料の支払い条件が満たされていることが、障害年金の受給資格に影響します。

障害年金が支払われる条件

  • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、納付または免除されていること(原則)
  • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がない(納付しているかまたは納付が免除されている)こと(特例)

要約しますと、

初めて病院(診察)にかかったときの前日まで、1年間保険料をキチンと納めている。

これらの要件を満たしていれば、障害年金を受け取ることができるのです。

学生期間は?

学生時代に保険料を支払っていない方は多いと思います。

2001年4月以降、学生には保険料の納付猶予制度が設けられていますが、1991年4月から2000年3月までの期間には「学生免除」という制度がありました。
この制度では、届け出を行わなければ、その期間は未納として扱われていました。

ですので、現在50歳以上の方は、学生時代の記録を一度確認することをお勧めします。

障害年金を受給したいが、未納の保険料が支払えない場合

国民年金の保険料を2年以上納めていない場合、その期間は年金額に反映されず、受給資格期間にも含まれないため、将来の老齢年金受給ができなくなるリスクがあります。
さらに、万が一の障害や遺族が発生した場合、障害年金や遺族年金の受給もできなくなる可能性があります。

経済的な問題で支払いができない場合

厚生年金に加入している会社員や公務員は給与から保険料が自動的に天引きされるため、未納になる心配はありません。
しかし、自営業者やアルバイトなどの第1号被保険者で、経済的な理由で保険料の支払いが困難な場合、「免除」や「納付猶予」の手続きを行うことが推奨されます。

免除や納付猶予を利用すると、その期間は受給資格期間に算入されます。
また、保険料の未納期間が10年以内であれば、追納することで年金額に反映させることが可能です。

国民年金が支払えない場合

国民年金保険料の免除には、法定免除と申請免除の二種類があります。
申請免除を受けるためには、本人だけでなく、世帯主や配偶者の所得に関する審査が必要です。
この審査を通じて免除が認められた場合、所得に応じて全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除のいずれかが適用されます。年金の金額は、これら免除の種類に基づいて計算されます。

年金額を増やすためには、保険料の追納を行うか、60歳以降も国民年金に任意で加入するなどの対策をとることが有効です。これにより、将来受け取る年金の額を増加させることが可能になります。

申請免除の種類所得基準(前年の所得)老齢基礎年金の年金額の計算
全額免除〔(扶養親族数+1)×35万円+32万円〕以内満額の年金額×(保険料納付済期間+①の期間×1/2+②の期間×5/8+③の期間×3/4+④の期間×7/8)/480月
4分の3免除〔88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等〕以内
半額免除〔128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等〕以内
4分の1免除〔168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等〕以内

納付猶予制度とは?

20歳以上50歳未満の方で、本人や配偶者の前年所得が一定以下(保険料全額免除に該当するレベル)の場合、審査を経て保険料の納付猶予を受けることが可能です。
納付猶予を利用した期間は受給資格期間には算入されますが、免除と異なり、その期間の年金額には反映されません。この猶予期間の保険料を年金額に反映させるためには、追納が必要です。

また、重要な点として、この納付猶予の制度は2025年(令和7年)6月までの特例とされています。この特例期間後の納付猶予に関する規定は異なる可能性があります。

学生納付特例制度

所得が一定以下の学生(大学、大学院、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校、各種学校、一部の海外大学の日本分校などに在籍する学生)は、申請を通じて国民年金保険料の納付猶予を受けることができます。
この際の所得審査は、本人の所得だけが対象となります。

なお、学生は法定免除の対象となりますが、申請免除の条件を満たしていても、学生納付特例(特倒)として扱われます。

納付猶予制度や学生納付特例制度には、2020年(令和2年)2月以降、新型コロナウィルス感染症による収入減少を理由とする臨時特例も設けられています。

未納があって障害年金を受け取れるかわからない場合は社労士へ相談

社会保険・年金の未納があるかもしれない、自分の状態がわからず障害年金を受給できるかわからないといった場合は一度専門家に相談しましょう。

せたがや障害年金支援センターでは、障害年金が受給できるかわからない方などを対象に無料で相談をお受けしております。
もし、これから障害年金を申請しようとしている方がいらっしゃればお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人
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丸橋 俊博

世田谷区でNO.1の実績!豊富な経験で障害年金の申請をサポートをしている社労士です。

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