【問題点】
就労期間と就労期間の狭間で初診がある人は国民年金で請求する事になるが、例えば就労しても1,2か月は試用期間として厚生年金の扱いをしない会社もある。そうすると本来厚生年金なのだが請求は国民年金ということになる。
障害年金制度で、支給要件が厳しいために少ない金額しか受け取れない人がいることから、厚生労働省は金額が多い「障害厚生年金」を今よりも受け取りやすくする方向で検討を始めた。2025年に国会提出を目指す年金制度の改正法案に盛り込みたい考えで、今後具体策を審議会で議論する。実現すれば、障害年金の制度上、約40年ぶりの大きな変更となる。
決して決まったわけではないことに留意してほしい。
障害年金には「障害基礎年金」と、上乗せ分に当たる「障害厚生年金」の2種類がある。障害の原因となった病気やけがで初めて医療機関にかかった「初診日」が重要で、初診日が国民年金の加入中だった場合は「基礎」、会社員や公務員で厚生年金の加入中だった場合は「基礎」と「厚生」が支給される。
だが、例えば会社員時代に病気になっても、深刻に考えず医療機関にかかったのが退職後だったり、会社を辞めて転職活動中に事故に遭ったりした場合、それまでどんなに長く厚生年金に加入していても、支給されるのは障害基礎年金だけになる。
支給額は最重度の1級の場合、基礎のみだと月約8万1千円。厚生の支給額は加入期間や給与によって異なるものの、基礎と合わせ月数十万円受け取れることが多い。また、障害が最も軽い3級では基礎は支給されないが、厚生は受け取れるというメリットもある。
初診日のわずかな違いで年金の有無や支給額が大きく左右される構造的な問題に対し、障害者からは改正を求める声が以前から上がっていた。厚労省は厚生年金の加入期間が一定以上ある場合や、退職から短期間の場合は、初診日が国民年金加入中でも厚生の支給を認めるといった案を検討する。
ただ、対象となるのは制度改正後の新規受給者で、現在の受給者には適用されない見通しだ。
初診日によって年金の種類が決まる仕組みは1985年改正の法律に基づいている。
(共同通信社)