相談内容
相談者は平成30年10月頃、私の顧問先の塗装会社の社長になり、そちらの社長の奥様が脳腫瘍になられた話から障害年金の話になりました。
相談者の社長曰く、
「おかげ様で脳の腫瘍は出て切除されがん性の転移もなかったので一安心したのですが術後しばらくして、忘れっぽくなったり、ささいなことで激高したりするようになり妻の挙動に不自然さを感じるようになりました。
主治医にそのことを話したら
『手術は成功しているし何の問題もなく回復している。それは気の所為でしょう』
と手術にケチをつけられたと思われ不機嫌になられたので、もうそれ以上言えないのですよ」とどうすれば良いかかわからないと言って、困られていました。
私は医者ではないのでわかったようなことは言えないが高次脳機能障害の症状の可能性が高いと思いました。
そこで、当時、世田谷区立総合福祉センターに嘱託医として慈恵医大第三病院の渡邊修先生が週に何回か来ておられるので、一度相談に行くことを勧めました。
慈恵医大第三病院の渡邊先生は必ずMRIをとって脳のどの部分が損傷しているか頭蓋骨の模型をみせていただき説明をしていただけます。
そして慈恵医大第三病院で検査の結果、やはり『高次脳機能障害』と判明したのです。
具体的には、「右側頭葉」に原因がありました。
脳の左右を対称してみると明らかに損傷している部分は委縮していました。
これだけ損傷しているこの患者さんを年金不支給にしてはいけないと何か使命感を持ってしまうのです。
高次脳機能障害については初めてお会いした慈恵医大の橋本圭司先生の著書を熟読していたので脳腫瘍は原因の一つだということを記憶していました。
社労士の立場では高次脳機能障害は認定基準のタイプB「症状性を含む器質精神障害」に属します。
また、障害状態の判断は「認知障害、人格変化、その他の精神神経症状」の程度で決まります。
社労士の役割は検査結果の事実を踏まえてその程度をどのように申立書で立証するかが大事です。

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